



冬 まっさかり
マイナス30度の風景を味わいに2時間のバスの旅
日差しの暖かさにだまされて窓に寄り添ってうたた寝などしてはいけません
ひと山越えるたびに壁面からすぅーっと冷気が忍び込んできて、着膨れの洋服の下まで入り込んで半身がすっかり凍えてゾクゾクして目が覚めますよ、ご用心。
車は、どこまでも白い温度の境界をくぐりパウダースノーの白煙をまきあげながら山道を走っていると、視界がぼやけてどこが道かわからなくなります
もしかしたら別の車線に吸い込まれて向かっていくのは異次元なのかも、なんて 吹雪の後の雪のかたまりが凶暴な動物だったり、先生や近所のおじさんのおかしな表情だったりした子どもの頃のことを思い出して、そのころとあまり変わってない自分の想像力に独り照れ笑いしていました。
のっぽの煙突から昇る煙は空の途中からもどってきて、すっぽり灰色の雲となって工場を覆っています。よく見ると、晴れているのに遠い街並みはどこもぼんやり白く翳っています。寒さは旅人に知らない街を幻想的に見せてくれるようです。
気まぐれな天気は あっという間に空を覆い雪を撒き散らし またすぐに雲をこじ開けてどうだい!と得意そうに笑顔を見せます。光の中で白い樹とほっこりした丘と帽子をかぶった屋根と小さな獣たちの足跡は なんてすべてが丸くて優しい形なのでしょう。
ここで似合わないものは直線の道路とさっくり切り取った除雪の鋭角な跡かもしれません。そこをまた不似合いなバスが駈けぬけていきます。、
そして・・何十年ぶりでしょうか
今回、念願のダイヤモンドダストを体験できました!
マイナス19度の晴れた朝、それは小人のハサミで、これ以上ないというくらい薄く小さく切った銀の箔を空中にばらまくとカケラは朝日を浴びて小さなミラーになってキラキラと光りだすのです。窓辺に差し込む朝日に照らされた部屋の塵のように静かにそっと浮遊して沈んでいきます。
始めてみた人は、このしばれる日のマジックにしばし寒さを忘れることでしょう。
自然は不思議です
誰かが魔法の杖を持っていて 人が見ていない隙にこっそり使ってびっくりさせて楽しんでいるのかもしれません
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
一番上のサムネイルの写真がダイヤモンドダストですが、悲しいかな私の技量では感動を伝えることは難しいです