天人峡
天人峡1

暑い夏の午後、山あいの天人峡温泉は街の喧騒から逃れてきた人を山の影と古い町並みで傷ついた者をかくまうようにつつみ込んでくれます
温泉街の外れに車を置いて照りつけるアスファルトの車道から森へと続く遊歩道に入ると、靴に触れるこなかなチップの柔らかさと苔むした緑のドームがほてった体を内側から冷やしていくようです
川があります。
ごろごろ転がる角ばった大きな石にぶつかりゴウゴウと音をたてて流れる荒々しい川です
川の片側は柱状節理と呼ばれる縦に幾筋も亀裂のはいった岩盤がいたるところ直角にそそり立っています。
遊歩道にも岩盤から剥がれ落ちた岩が道をふさぐように転がっていて苔むした腹を上に向けています。
川の水音やセミの声はジンジンと反響していますが 騒音ではない自然の音は鼓膜をすんなりを通して静けさだけを置いていく心地よさがあります

天人峡2

白糸の滝

道はだんだん狭く、ときには急な登り坂 ところどころぬめった斜面に足をとられながら背の高い夏草の中を進みます
歩道は二股に分かれ一方は枕木の階段、もう一方は橋から更に山の懐へと続いています
耳には自分の呼吸の音だけが ひゅーひゅーゼイゼイ聞こえますが苦しいのを我慢して階段をいっきに登りきりました
立ち止まると 足元だけを見ていたのと酸欠と空の高さで一瞬クラっとまわりが白くなりました
日ごろの運動不足がたたったようです
目が慣れると正面には岩壁に沿って頂上からは白いものが幾重にも筋をつくっているのが見えます
白糸の滝です
滝はしなやかで繊細な美しさはまるで束ねた絹の糸を無造作に広げたようです
とおい海鳴りのように 細かな雨のように静かな滝の音です
柵にもたれてしばらくの間自然と同化してみましょう
ぼんやり ただぼんやり滝の方から漂ってくる潤いに浸りながら・・・・
 

つづく、 かな?

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暑中お見舞い申し上げます
本州にお住みの方は暑いでしょうね
北海道は夏を置き忘れたようで涼しい毎日にちょっと寂しく感じたりしています
この天人峡は去年の作品ですがちょっと手直しして
涼んでいただければと思いました
後半の敷島の滝も書ければ・・・つづく ということで^^



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【2008/07/28】  この記事のURL | 散文 | CM(4) | TB(0) | ▲ top
種まき
コーロンバインの芽
芽の歌3


私の種まきは 冬まっさかりの2月からはじめます
春の店先で歩道にはみ出すほどカラフルに並べられている中からレイアウトを考えながら選ぶのも楽しいのですが 種から育てるのはもっと楽しい
小さな種に毎日霧をかけ、乾き過ぎないように むれないようにおおいをはずしたりかぶせたり
3日で芽を出すもの 一ヶ月かかるもの 
芽をだしても霧を吹いただけで へとっ!と倒れて起き上がれず土になってしまうもの
せっかく根をはったのに 首をふっても硬い殻が脱げずしおれてしまうもの
芽なんか絶対だすものか!と、かたくないじっぱり
重い土の塊を持ちあげ とぐろを巻くように光を求める生命力やエネルギーはこんな小さな種のどこに隠されているのだろうと思えば、
触れただけでぽろっと頭がとれてしまったりするもろさもあります
お世話をするうちに最初の芽が出たり 花芽を見つける頃には、あたりかまわず見せびらかしたくなるほど可愛くて わが子を育てるように花バカになっています

今年いちばん気になっているのは娘の彼が「おかあさんに、」と外国で買い求めてくれたものです
どんな花が咲こうとも海を渡って届けてくれただいじな だいじな種なのです
横文字オンチな私は花の名前さえ読めず娘に助け舟、この種はワイルドレッドコーロンバイン(オダマキ)でワシントンの野生種でどんな気候にも適応しやすいという。
ということはグランドカバー並みに生命力も強いに違いない 
「ふむふむ。。。蒔き時は秋?北海道では 秋に蒔くと寒さで死んじゃうから春にしよう」
と勝手に解釈してまいたあと 1週間 2週間。。。。芽がでない。蒔きどきを間違えたかなぁ
念のために残しておいた三分の一を再度蒔いて2週間。やっぱり出ない
残念だなぁ〜でも あきらめられずに霧吹きを繰り返していた
すると、いきなり“ぽんっ!”と急に双葉がでた! ひとつがでるとあっちにもこっちにも小さな双葉が開きだした
ようこそ〜、といいたくなるほど待ち焦がれた出会いでした
こうして出会った小さな種が 花をつけ実を結び 次世代を育てていくお手伝いをするのはなんて嬉しいことでしょう
それよりも彼からのおみやげが単純に嬉しい私なのでした

トルコキキョウ かすみ草(ピレネーピンク) カンパニュラ
ラグラス インパチェンス ニゲラ バーベナ
どの子がどんな色で花壇をにぎわせてくれるのか とても楽しみです
毎日東と西の窓辺をお日さまを求めて苗を抱いて 行ったりきたり 過保護に育てています^^
ちなみに今年のがんこももの種は トルコキキョウです
はやく でておいでぇーー。。

こんな花が咲く予定です
コーロンバイン(オダマキ)






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【2008/03/15】  この記事のURL | 散文 | CM(4) | TB(0) | ▲ top
しばれる日のマジック
ダイヤモンドダスト


雲の中から400

白い木400

白い妖精400

冬 まっさかり
マイナス30度の風景を味わいに2時間のバスの旅
日差しの暖かさにだまされて窓に寄り添ってうたた寝などしてはいけません
ひと山越えるたびに壁面からすぅーっと冷気が忍び込んできて、着膨れの洋服の下まで入り込んで半身がすっかり凍えてゾクゾクして目が覚めますよ、ご用心。

車は、どこまでも白い温度の境界をくぐりパウダースノーの白煙をまきあげながら山道を走っていると、視界がぼやけてどこが道かわからなくなります
もしかしたら別の車線に吸い込まれて向かっていくのは異次元なのかも、なんて 吹雪の後の雪のかたまりが凶暴な動物だったり、先生や近所のおじさんのおかしな表情だったりした子どもの頃のことを思い出して、そのころとあまり変わってない自分の想像力に独り照れ笑いしていました。
のっぽの煙突から昇る煙は空の途中からもどってきて、すっぽり灰色の雲となって工場を覆っています。よく見ると、晴れているのに遠い街並みはどこもぼんやり白く翳っています。寒さは旅人に知らない街を幻想的に見せてくれるようです。
気まぐれな天気は あっという間に空を覆い雪を撒き散らし またすぐに雲をこじ開けてどうだい!と得意そうに笑顔を見せます。光の中で白い樹とほっこりした丘と帽子をかぶった屋根と小さな獣たちの足跡は なんてすべてが丸くて優しい形なのでしょう。
ここで似合わないものは直線の道路とさっくり切り取った除雪の鋭角な跡かもしれません。そこをまた不似合いなバスが駈けぬけていきます。、

そして・・何十年ぶりでしょうか
今回、念願のダイヤモンドダストを体験できました!
マイナス19度の晴れた朝、それは小人のハサミで、これ以上ないというくらい薄く小さく切った銀の箔を空中にばらまくとカケラは朝日を浴びて小さなミラーになってキラキラと光りだすのです。窓辺に差し込む朝日に照らされた部屋の塵のように静かにそっと浮遊して沈んでいきます。
始めてみた人は、このしばれる日のマジックにしばし寒さを忘れることでしょう。

自然は不思議です
誰かが魔法の杖を持っていて 人が見ていない隙にこっそり使ってびっくりさせて楽しんでいるのかもしれません

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一番上のサムネイルの写真がダイヤモンドダストですが、悲しいかな私の技量では感動を伝えることは難しいです



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【2008/02/14】  この記事のURL | 散文 | CM(4) | TB(0) | ▲ top
水琴窟
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久しぶりに会うお友達との楽しみな時間
きょうの晴れ間は午前中だけらしい 
おしゃべりだけではもったいないと
市内の公園に秋を探しにでかけました
日差しはまだ柔らかく日なたでは背中に温もりもありますが
木陰に入ると 手稲山に初冠雪がおりた季節の到来は
着膨れでひとまわりサイズが大きくなった身体でも
寒い 寒いを連発してしまいます

思いがけない発見は意外にあるもので
とてもすてきなものを見つけました

立て札がなければ 通り過ぎてしまうほど目立たない場所です
瓶の底に小さな穴をあけひっくり返して土中に埋め
ぽとん ぽとん と滴る水音が瓶に共鳴して
琴の響きのように聞こえるという水琴窟(すいきんくつ)です
水は導かれた手水鉢(ちょうずばち)の石をくぐり
瓶の底にたまり一滴づつ滴っているようです 

キン・・ キン・・・
長い竹の筒に耳をよせると、かすかに聞こえるのは
琴というよりも羽をふるわせる虫の羽音のように透明な響きです
光の届かない地下に住む生き物が同じ形状で命を継いでいくように
江戸時代に始まったという茶庭にしつらえた わび さびのこころは
いにしえからここで同じように変わらぬ音色を奏でているようかのように
静かな空間をつくっています

日なかの公園は工事の機械、人の話し声、車の音など
雑多な騒音が混じっています
竹の先から聞こえるかすかな音は雑音と散漫な雑念で 
耳をすましてもだんだん聞こえにくくなっていきました

人が活動を潜め そこに生きる小動物や鳥たちの時間になると
こころをすますと いにしえのメロディーが
なにかを語りかけてくれるかもしれません

もう一度行きたい場所 もひとつみーつけた!

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水琴窟の音が聞けるサイトがありました→こちら


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【2007/10/21】  この記事のURL | 散文 | CM(2) | TB(0) | ▲ top
湖の朝に
クリックして見てね^^

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札幌から南西に位置する、ほぼ円形の洞爺湖
アイヌの人たちは「キムントー」と呼んでいたそうで山の湖のことでした。
それを和人が湖岸を意味する「ヤ」をつけてトーヤ(洞爺湖)を湖名にしたそうです
湖の西の高台では2008年に洞爺湖サミットが開かれるウインザーホテルが朝霧の中で孤高を保っているお城のようです。
この湖は栄養度が低いため生き物が住みにくい環境でしたが、7年前の有珠山の噴火により火山灰が大量に湖底に沈殿しミネラルが増え藻が繁殖してエビやヒメマス ワカサギ コイなどを育て湖畔の温泉地ではヒメマスのお料理が味わえます。
でも、近年 外来種のザリガニがここでも生態系を荒らしていると、テレビで放送していました。
繁殖力の強い10cm近くあるザリガニは藻を食い荒らし生息地を徐々に広げているのは 私たちの先祖の和人が自然とともに生きて来たアイヌの生活をタバコや手触りのいい布やお酒などでただ同然に生活圏を巻き上げていったことと似ているのかもしれません。
自然界も保護を受けなければ弱いものが淘汰されるのは 生き物としての宿命なのでしょうか。 

この湖畔に一泊したのは前日の夜、昭和新山の火祭り(花火大会)を見るためでした。
花火の饗宴にため息をついて 夜更けてのおしゃべりで20年来のお友達は皆まだ心地よく寝ています。
日の出前の早朝 お友達を起こさないように顔も洗わずにカメラを持って湖岸に立ちました。
凛とした朝の空気は適度な湿度とわずかに頬にあたる涼しい風が開けきらない朝を引き締めてくれます。
誰もいない湖岸は波音も息を潜めて 静かに朝靄が薄く色を染められて湖底の火山灰のように浮遊して幻想をつくっています。
山育ちの私にとって海や湖から登る朝日は遠いあこがれを見るような情景でした。
朝日が昇りはじめました
真っ直ぐに伸びてくる陽の道・・・。
日の出 日の入りは 早い
足元に届く前にあっというまに 陽はたかくなり
道は蜃気楼のように消えていくのです
私は急いで部屋に戻り、まだ寝ているお友達を起こさずにはいられませんでした。


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【2007/09/05】  この記事のURL | 散文 | CM(0) | TB(0) | ▲ top
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